ヒダヰゴ交通局

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2023.06.24 【新型車両へ置き換え迫る国鉄型特急車両】381系国鉄特急色『やくも』に乗る!!

JR東日本の特急『踊り子』から185系が引退して2年が過ぎ、なおもただ一つ特急として定期運用を持つ、最後の国鉄型車両、それは、、、

381系『やくも』。その古参車両も後継の273系が2024年春に登場予定で、引退のときが間もなく迎えるのです。

というわけで、乗車するなら今しかないと感じ、

鳥取県米子駅に来ていました。これから駅弁、飲み物を買い求め、

スーパーやくも塗装の381系『やくも24号』が入線してきました。しかし、乗車するのはこちらではなく、、、

後ろ4両に連結する国鉄カラーの方です。時刻表にはこの列車は国鉄特急色で運転する旨が記載されていたのですが、このところ、期間限定で『スーパーやくも』塗装と国鉄特急色が混在して運行されているようです。

16:26、米子駅を出発。

すると、車内アナウンスの冒頭として鉄道唱歌が流れます。

まもなくして、どらドラパーク米子が見えます。

座席はこんな感じ。ゆったりしていて、国鉄時代からの車両とは思えないほど車内は改修されていました。

車内探検に参りましょう。洗面台は意外と清潔です。

男子トイレも更新されたみたいですね。

かつては乗務員室だったような謎のスペースが。

そこにはパンフレットなどが置いてありました。

デッキの周りは木目調になっていますが、乗降ドアだけは国鉄時代から変わらず鋼製のままでした。

この車内を見ても、本当に国鉄時代から一掃させるような空間ですね。そのことから「古くて新しい特急列車の旅」と銘打つような乗車時間になりそう。

ゴミ箱もリニューアル時に新設しているみたいですね。

壁面に収納されたくずもの入れもあり、そこには国鉄時代からの標記・書体が残されていました。

和式トイレも洋式のものに換装され、使いやすくなりました。

ここは国鉄色とスーパー色の貫通部分なのですが、

貫通扉が車内に収納されているため、こんなものが見れるスペシャルスポットも。

やくもの前面方向幕や、

国鉄の特急シンボルマークが間近で眺められるという、まさに国鉄ファンには大喜びの場所です。

一通り車内探検を済ませた後は、座席でのんびり過ごしましょう。

列車はすでに伯備線に入っており、中国山地に入りかけていました。

伯耆溝口駅にてコナン列車と遭遇。

伯耆溝口周辺の山には鬼の集団がおり、鬼住山と呼ばれていたそうで、このように列車から鬼の銅像が見えたりします。

鳥取県内では日野川に沿います。

米子駅で購入したかに寿司をここで味わうことにします。

白飯の上にまんべんなく錦糸卵とカニがのっかっています。カニの味が前面に引き出しています。

根雨駅にも運転停車。この『やくも24号』は米子を出ると、岡山県新見駅まで1時間以上にわたり無停車なのですが、伯備線は単線のため列車交換を行う関係で通過駅もいくつか停車します。

反対からやってきたのは、パノラマやくもでした。

座席近辺もご紹介しましょう。381系はリニューアル後もブラインドではなくカーテン式になっています。

背面テーブルもしっかりした質感になっています。

さらに、肘掛からも小型サイズのテーブルが出てきます。

伯備線はカーブが非常に多く、前寄りのスーパーやくもがチラッと見えます。

谷田峠トンネルを介して岡山県に入りました。

リニューアル工事によるシートピッチの拡大で、窓割とシートがずれてしまい、一部の座席ではこのようにピラーによって景色を邪魔してしまうため、眺望性に難があります。そのため、座席を選ぶなら慎重に考えた方がよろしいかもしれません。

伯備線は川の渓谷を通る路線で眺めの良い景色が続きます。

381系の特徴の一つとして、振り子式装置を採用しており、独特の揺れを体感できます。

布原駅を通過。この駅は備中神代駅から合流してきた芸備線の列車のみ停車し、伯備線普通列車もすべて停車しません。

17:38、新見駅に到着。

続いて方谷駅でも運転停車をし、出雲市行の『やくも』とすれ違います。

備中高梁駅を出ると、複線に変わります。山越えのために控えめになっていた速度も少しづつ向上します。

総社駅辺りから住宅も増えています。

総社駅井原鉄道と分岐し、さらに速度も上がります。

山陽本線と合流し、18:28、倉敷駅に到着です。

倉敷駅からは山陽本線を猛スピードで力走します。

岡山貨物ターミナル駅が見えてくると、終点岡山駅までもう一息です!!

山陽新幹線と合流し、18:39に終点岡山駅に着きます。

車両前面には懐かしのJNRマークが復刻されてました。

顔面を見ると、まさに国鉄時代の特急の印象が染みつきます。

というわけで、約2時間乗車してみて、国鉄ならではの設備も備わっていながら一新された座席でゆったりできたりと、旧くて新しい乗り鉄の旅も十分に楽しむことができました。振り子式装置による揺れも迫力ありましたが、車両が傾く際に席を離れているとやはり揺れが激しくて移動に支障をきたすこともありました。ただ、それが381系の醍醐味なのでしょう。

というわけで、2024年春に『やくも』として導入される273系には車上型制御付自然振り子式装置が国内で初めて採用され、乗り心地も改良される見込みです。それに伴い、381系は随時置き換えられ、日本から国鉄型特急用車両による定期運用も姿を消します。乗るならこのタイミングで乗車してみてください。